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移住者アンケート

 移住サポートというと、どうしても移住を検討している段階の方々に向けた支援が主軸になりがちですが、ほんとの移住は引っ越したところからが本番。

 移住相談をされていた方が駒ヶ根への移住を決断してくれたときの喜びはもちろんですが、それ以上に実際に移住された方からその後の楽しそうな暮らしぶりを伺ったときの幸せや安堵感はひとしおです。

 移住してどんな暮らしを送っているのか、喜びや心地よさを感じる瞬間はどんなときか、困っていることや悩んでいることはないか…そんな移住者のリアルな言葉から地域の本当の姿が見えてくるのでしょう。

 今回は2020年9月に実施した移住者アンケートの結果を公開します。

アンケート概要

①対象者

 行政の移住定住窓口を通して駒ヶ根市へ移住された方45名

②回答者の属性

 ・性別    :男性 32名、女性 13名

 ・移住区分 :Iターン 38名、Uターン 1名、Jターン 3名

 ・家族構成 :夫婦のみ24名、夫婦+子供12名、単身6名、他

アンケート結果

【冬の暮らしについて】

➤Good Pints

・雪がほとんど降らないので外出や車の運転も問題なく、除雪の負担も少ない

・晴天が多くて気持ちが良い

・空気が澄んでいるので雪景色のアルプスや星が絶景

・薪ストーブのある暮らしが楽しい

・アウトドアライフを実感できる場所が身近にたくさんある

➤Bad Points

・谷地形なので思ったよりも風が強い

・光熱費や灯油代がかかる

・スタットレスタイヤは必須

・居住の断熱性が大切

・薪の準備が大変(安価や無償でいただける薪の情報が入らない)

 

【移住前にやっておいた方が良いこと】

・四季を通して現地を訪れる(できればお試し暮らしをする)

・車の免許取得

・仕事探し(農業だけで食べていくのはなかなか厳しい)

・人の繋がり(地方は口コミの情報がたくさんある。暮らしている人の気質や移住者の本音を知ることは大切)

・移住暮らしの目的やイメージをしっかり持つ

・日差しや電波のチェック

・空き家探しはタイミングなので、焦らず「仮住まい」から始めるのが良い

・金銭的に余裕を持っておく

・地域情報の入手(学校やスーパー、病院、防災ハザードマップ)

・自治組合費や地区行事の確認(思った以上にお金がかかったりイベントが多かったりする)

 

【駒ヶ根暮らしの良いところ】

1. 自然環境について

・中央アルプス、南アルプスを両方見渡せる景色は本当にピカイチ

・雄大な景色の中での四季を感じられる暮らし

・毎日アルプスの山の表情が違うので飽きない

・お天気の良い日を選んですぐに山へ遊びに行ける

・自然に触れられる場所が身近にたくさんある

・空気や水がきれいでおいしい

・夏は湿度が低く朝晩涼しいので体が楽

・自然災害がほとんどないので安心(山に守られている感覚)

・竜東エリアと呼ばれる中沢や東伊那は冬も暖かく、目の前に中央アルプスが一望できる絶景が広がっている

2. 生活環境について

・生活必需品など入手できる環境がコンパクトに整っていて暮らしやすい

・スーパーやホームセンター、病院もあるので日常生活には全く不便がない

・町中に住むとスーパー、銀行、郵便局、バス停、JR駅などが全て徒歩圏内

・職場と家が近くて道も渋滞しないので通勤が楽

・雑踏がないこと

・家から花火を見ることができる

・治安が良い(子どもを安心して外で遊ばせられる、子供がのびのび暮らせる)

・山や温泉などリゾート的な要素が生活圏にある(いつでも観光気分)

・土地が安い

・農産物が豊富でジャムやドライ果物、味噌、漬物など色々なものを手作りできる

・家庭菜園や渓流釣りを始めることができた(採れたて野菜が食べられるので幸せ)

3. その他

・とにかく人が良い

  →優しくて親切、おおらかな人が多い。

移住者に寛容で温かく受け入れてもらえた。

   挙げたらキリがないが、一番良かったのは近所の人たちが本当に良い人ばかり。

   昭和のような古き日本人の良さを持っていると思う。

コロナ禍で中々挨拶まわりが出来なかったが、すぐに打ち解ける事が出来た。

・田舎のわりに干渉されない

→程よい距離感を保ってくれる。

人付き合いが適度にあって重すぎない(自治組合の活動も楽しめている)。

・ご近所さんから野菜をたくさん貰えるので嬉しい

・これまで知り合うことのなかった人々との関わりが増え、人生における多様な経験が得られた

・子供がみんな元気に挨拶してくれる、車を止めて横断を譲ると深々とお辞儀をしてくれる

・地区の役員、農事生産組合の作業、公民館活動、地域クラブの参加などコミュニティが多いので知り合いがたくさんできて早く馴染めた

・都会暮らしで感じていたストレスがない

・何事もじっくり考える時間の余裕ができた

・自分のライフスタイルを見直し丁寧な暮らしが送れるようになった

・父親が明るいうちに帰宅するので、家族で晩御飯が食べられる

・東京では会社人間で会社と家の往復!駒ヶ根ではすぐ地域に入らせてもらい、弓や笛や獅子舞を教えてもらい、地域のお世話をする事で感謝もしてもらえ、損得や駆け引きなく笑って飲んで、とても幸せそうです(笑)

 

【駒ヶ根暮らしの大変なところ】

1. 生活環境について

・お店や病院の選択肢が少ない

・近くに娯楽施設がほとんどない

・雨の日に子供を遊びにつれていける場所がない

・車がないとどこにも行けない、共働の場合は車が複数台必要

・二次交通が発達していないので交通の便が悪い

・行政区の呼び方や分け方が複雑で慣れない

・野焼きをする方がいて窓を開けられないことがある

・ゴミの分別が細かい、ゴミ袋に個人名を書いて出すのに抵抗がある

・飲み友達を見つけるのに苦労した

・公共料金が高い、冬はとにかく暖房費がかかる

・草刈り、草むしり、薪割り、庭仕事など田舎暮らしは忙しい

​2. ​自治会について

・役が沢山あり、人も少ないのですぐ回ってくる。役割も何をして良いのかよく分からない

・半強制的に参加しなければならない地区行事があり、参加できない場合は出不足金をとられることもある。

・地域の祭りで宴会芸のようなダンスを踊らなければならなかった。男性は女装を求められて死ぬほど嫌だった。

・自治会に加入するまで伊那市のクリーンセンターまでゴミを持って行っていたので大変だった

・役の仕事、河川清掃、お祭りなど、都会ではありえない無給の仕事がたくさんある

・常会や隣組など、年間の会費で数万円の支出がある 

​​3. その他

・性格の大人しい方が多いので、意見を言いづらい雰囲気を感じる

・年功序列で高齢の方の意見が優先されたり、そこに対して若者も無関心だったりする

・女性蔑視や性別分業の価値観がまだ根強い

・良くも悪くも話がすぐに広がる

・あまり干渉されない代わりに地域の情報が入ってこない

・隣近所との付き合いがほとんどなくドライで楽だが、全体的な協力一致は逆に難しかった。

・内輪感が強いと感じることがある

・価値観が大きく違い、地域に合わせなければならない場面が多い

 

【駒ヶ根に暮らしてみて驚いたこと】

・全く期待していなかったけれど魚介類が美味しい

・本物の松茸がふんだんに入ったすき焼きを食べられた

・家の前に無記名の野菜が置いてあった。松茸が入っていたことも

・家の玄関の鍵が空いている

・高齢者がとにかく元気

・近隣住民がみんな顔見知りで屋号や愛称で呼び合っている

・熊や猿の出没情報が防災無線で流れる(猿や熊がそこらへんに普通に出る)

・名古屋が片道2時間で想像以上に近かった

・2つのアルプスが常に見えているので土地勘がなくても道に迷わない

・朝晩の寒暖差がとても大きい

・商店街がシャッターばかりで寂しい

・商店が入りにくい雰囲気。商いをしている意欲もあまり感じられなかった

・飲食店の中の様子が外から見えず閉鎖的

・都会にあったような個人書店、CDショップ、ギャラリー、セレクトショップなど文化的な土壌となる店や空間が少ない。(特に若い世代が通えるような場所)

・回覧物や学校から配布されるチラシが多くて煩雑。案内の殆どが”住所のみ”で地図の記載がない。新参者には何処で行われるものなのかが分からなかった。

・他の市町村との連携がない

・車ばかりで自転車ユーザーが少ない

・交通マナーの良さ

・自治会などへの出席率の高さ

・区費に自治会館建設費のローンが組み込まれていて月5,000円を請求された

・全く面識がない人だが同じ隣組の葬儀の手伝いをやらされた

 

【移住を検討される方へのメッセージ】

❖現地を訪れることはもちろんですが、移住者とも交流を持ち生の情報を得ることが大切だと感じます。

❖好きなことを好きにやって楽しく生活することではないでしょうか。それができる駒ヶ根だと私は思います。

❖農業をやりたい、カフェをやりたい等、夢や目的が無くても、そこが気に入った場所だったら移り住んでみて良いと思います。ただ、その後の生活がありますので、定職に就く等、何かしら収入の目処は立てておいた方が良いでしょう。

❖ごく当たり前の近代的な生活が営める程度には施設やインフラが整っているので、その点は問題ありません。基本的には、期待も不安もほどほどに、新しい生活を前向きにとらえる心持ちがあればやっていけると思います。要は自分次第。

❖生活(仕事)できることがある程度見えているのであれば、是非、積極的に移り住んでみることをおすすめします! 特に都市部からの移住希望者の方は、駒ヶ根の生活は価値観も大きく変わり、反対にとても刺激を受けると思います。(いわゆる「無い物ねだり」だったものが手に入るので!) 理屈で考えるとなかなか難しいですが、住んでしまえばなんとかなる!と思います。

❖移住の目的をより具体的にしておくとよいと思います(例えば、自然豊かな場所で暮らしたい!という漠然としたものではなく、どんな場所で、何を、どんなふうにしていきたいのか。そしてそれが駒ヶ根ではできるのか?)。

❖東京や長野県内の何箇所か住みましたが、駒ヶ根が本当に気に入って移住しました。若手で志があって移住する方にはとてもいい場所です。

❖移住自体、結構思い切りや覚悟が必要なので、後に引けなくなって思いつめる事が一番最悪のシナリオです。準備は万全に、でもいくつかプランを用意して柔軟な気持ちを持っていると良いと思います。

❖先輩移住者もサポートができる体制づくりに努めたいと思いますので、ぜひ頼っていただきたいと思います。

❖田舎に親しめるようになるには時間がかかることを頭の片隅に置いて、ゆっくりと人間関係をつくってゆければいいのかなと思います。

❖「違うこと」を比べず異文化交流だと思って何事も楽しむ心構えが必要だと感じます。

❖移住の目的で自分が譲れないことが何か、それ以外のことはすべて受け入れるつもりで移住する。幾つもハードルを持っていてハードルを外せない人は止めた方が良いかもしれません。自分の場合は、農業ができれば後のことは全て受け入れるつもりでやってきたので、大変なことがあっても苦痛は感じません。

❖田舎への移住は自己開拓が基本になります。自分の足で歩いて、自分の気に入った条件を妥協せずに探してもらえると良いと思います。

 

  

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