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※募集は終了しました。

空き家の利活用に携わる地域おこし協力隊を募集します。

 駒ヶ根市には現在328件の空き家がある(令和2年度の実態調査より)といわれています。

 生まれ育った家に愛着があって手放せなかったり、他人に貸したり売ったりするのには抵抗があったり、いつか家族や親戚の誰かが使うんじゃないかと期待したり…そうやって長い間、使われないうちに建物の老朽化が進み、片付けもだんだんと億劫になり、誰の目から見てもわかるような人の手入れが行き届いていない空き家になってゆく。

 一方で、空き家の無料相談会や市役所の相談窓口に訪れる物件オーナーさんからは、良い人がいるなら使って欲しい、どこかのタイミングで手をつけなくてはいけないと思っているという話をよく聞きます。ふだんの何気ない立ち話でも「ちょっと誰か(家を)使ってくれる人いない?」という相談を耳にすることも少なくありません。

 空き家活用のハードルの高さは経済的な負担もありますが、意外とネックとなっているのは、「次の家主となる人がどんな人かわからない」、「まわりの地域の方とうまく付き合ってくれるか心配」という心理的な要因があるようです。

 空き家と一言で表現してしまえば、それまでですが、その物件を「空き家」と呼んでしまう前に、長い時間をかけて蓄積したその家の持ち主の記憶や家族の物語、地域への思いを聞くところからはじまるのが空き家の利活用の仕事なのかもしれません。

 今回はそんな空き家の利活用を中心となって推し進めてくださる方を募集します。

 

 

「まずは人の話を聞くこと。聞くことからはじまると自然とつながり、広がる。」

 

 今回の勤務地は駒ヶ根市役所 商工観光課 移住・交流促進室。そこには現在、室長の吉澤淳さんと移住相談員の桑原あゆみさんの2人が在籍しています。

 吉澤さんは生まれも育ちも駒ヶ根市、この地域のことに精通しており、空き家のことだけでなく、地域ごとの特色や関わり方まで幅広く相談にのっています。

 桑原さんは製造業や国・県の嘱託を務めた後、2022年から駒ヶ根市の移住相談員として活動、子育ての経験や女性視点でのきめ細かい対応があり、移住後にも桑原さんを頼って生活の相談事にくる方々もいるようです。

 就任すると移住・交流促進室の一員として業務を進めていただきます。

 

 主な仕事は空き家の利活用と移住交流促進に関わる業務。業務の特質上、色んな業種、世代の人と関わる仕事です。

 例えば、地元の物件オーナーは年配の方や親の代から家を譲り受けた若い世代までいますし、連携している不動産や建設会社、リフォーム会社のスタッフの年齢もさまざま、物件を求めて窓口に訪れる方々も子育て世代からシニア世代まで幅広く、日々たくさんの人と関わることになります。

 

 「本当に人との関わりがメインの仕事なので、気を遣うことはありますけど、楽しい仕事ですね。」と語る移住相談員の桑原さん。これまでの国や県の嘱託として働いていたときよりも、市で働いている今がより地域の人たちの暮らしが見えている実感があるとのことです。

 色んな方と接する上で大切にしていることはありますか?という問いかけには「まずはこちらが心を開く。こちらから伝えたいこともあるんですが、なかなか皆さん移住に関しても、空き家のオーナーさんに関しても、それぞれに思いがあるので、まずは話を聞くことを大事にしています。そこからポイントとなることを拾って話を広げたり、つなげてゆくみたいな。」(桑原さん)そうやって少しずつ相手との信頼関係を築いてゆくのでしょう。


 

「物件を手放した人と手に入れた人がよい関係を築くまで」

 

 1日の仕事の流れは下記のようなイメージです。

 

【1日の仕事の流れ】

8:30 市役所へ出勤。事務作業、空き家の問い合わせ対応。

12:00 昼食

13:00 中沢地区へ赴き、空き家の現状確認。物件オーナーのヒアリング。

16:00 市役所へ戻り、事務作業。

17:00 退勤

 勤務地は駒ヶ根市役所ですが、毎日のように市内へ赴くことになるようです。実は今、中沢地区にオフィスとして使えるかもしれない物件があるようで(交渉中)、実現すれば、スマホとパソコンを携帯して中沢地区のオフィスに出勤し、日中は地域を隅々まで歩き回り、定時になれば退勤。そして週に数日は市役所でミーティングや事務作業、そんな働き方もあるかもしれません。

 物件オーナーさんたちの休日が土日ということも多いので、相談対応で土日に出勤していただくこともあるそうです。

 

 空き家であることが調査済みの物件リストを片手に、地域づくり委員会の方と一緒に一件一件物件の現状を確認してゆくのは根気と体力のいる作業です。持ち主である物件オーナーのヒアリングしながら、活用のイメージを一緒に考えたり、空き家バンクへの登録手続きの流れや片付け補助金制度の説明などもします。なかには仏壇をどう処分したらいいのか、そういった相談を受けることもあるそうです。

 現地を歩きながら、物件リストには記載のない、空き家の可能性がありそうな物件を見つけたら、それもメモしておきます。車では一瞬で通り過ぎてしまう景色の中にも、歩くくらいの速さだと気づくこともあります。

 

 市には、中沢地区を空き家利活用のモデルケースにして、ゆくゆくは他の地域にも進めてゆくという展望もあるようで「それは3年後くらいの目標ですね。まずは物件を手放した人も、いい買い手が来てくれてよかった、買った人もいいオーナーでよかった、そう実感してもらえる関係をたくさんつくってゆきたいですね」と室長の吉澤さんは語ります。


 

「空き家の利活用と移住交流促進と」

 メインの空き家の利活用の業務と合わせて、移住交流促進に関わる業務にも携わっていただきます。

 現在、市が民間と協働している信州駒ヶ根暮らし推進協議会では、移住検討者へ向けて移住セミナーを開催したり、移住後の移住者の相談にのったり、移住者同士の親睦を深める移住者交流会(朝ごはんの会)の開催、移住パンフレットの企画立案や雑誌などの取材対応なども行っており、それらの業務も一緒に進めていただきます。

 駒ヶ根市の元地域おこし協力隊で、現在はシェアハウスのオーナーや子ども食堂の運営をし、まちづくりの会社を興して活動している前田智子さんも信州駒ヶ根暮らし推進協議会のメンバーの1人。行政と民間が一緒に仕事に取り組める土壌ができているのは心強いですね。

 また2022年度には移住検討者が駒ヶ根市のリアルな生活を体験できる体験住宅の運用もはじまり、その運営管理もお任せする予定です。

 体験住宅の利用者が希望すれば市内を案内したり、就農希望者には先輩就農者と交流する場を設けたり、体験住宅での滞在が有意義な時間になり、移住への前向きな検討材料となるようサポートしてゆきます。

 最後に、この仕事の今後の展望についてお聞きしました。

「移住者が求めている情報も年々変わってゆくし、多様化しているところもあるので、アンテナを高く張って、空き家の利活用も今、流れが来てますけど、その後どうなってゆくのかという視点を持ちつつ、新たなニーズをキャッチしてゆく姿勢が必要かと思います。」(吉澤さん)

「空き家バンクの認知度も上がってきて、今空き家の利活用は進んできているんですけど、今後は地元の企業の方と協力して求人も扱ってゆけたらと思ってます。たくさんの企業さんに移住者の受け入れも理解していただく方向を進めてゆきたいです。」(桑原さん)

「空き家を動かせる状態にするまでと、空き家を動かせるようになった後は、求められることが違って。前者が人間性のことだし、そこでお互いの信頼をつくった上で、いざ動かすとなったら実務的なスキルが必要となってくるから、その両方を兼ね備えている方だと、この地域ではすごく重宝されると思う。その辺、チームとしても役割分担しながら、互いに補完し合いながらできるといいですよね。」(前田)


 

地域おこし協力隊(移住)の募集内容の詳細はこちら

https://www.city.komagane.nagano.jp/soshikiichiran/syoukoukankouka/iju_koryusokushinshitsu/9779.html

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