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移住座談会'23 開催レポート【前編】

 2023年2月23日(土)に東京のふるさと回帰支援センターにて開催された駒ヶ根市の移住座談会の開催レポートをお届けします。

 この日はゲストスピーカーにジビエ料理に取り組む福田さんと山登りやロングトレイルを行う片桐さんを迎え、会社員をしながら山に親しむ暮らしを実践している貴重なお話を伺いました。

 ともに山という共通点はありながら、その楽しみ方はそれぞれで、2人の暮らしを通して、駒ヶ根での暮らしをリアルに想像していただけることがあったら嬉しく思います。

前田:みなさん、こんにちは。本日はお忙しい中、駒ヶ根市の移住セミナーにお越しいただきまして、ありがとうございます。オンラインの皆さんもありがとうございます。では、これから第二部の座談会と言うことで始めさせていただきたいと思います。今日は人数が少ないのでアットホームな会にできたらいいいなと思います。皆さんどうぞよろしくお願いいたします。

 

 会場には参加者4名、オンラインでの参加者4名、ゲストとファシリテーターで4名の合計12名。会場では椅子を円に並べて、互いの顔が見える距離感で、こじんまりとした座談会がはじまりました。

 

前田:移住っていうと例えば起業するとか、就農するとか、そういうことがピックアップされがちなんですけど、企業でお勤めされながらご自身のプライベートも大切にされて、特にローカルだからこそ叶う自分らしい暮らしの楽しみを満喫されている方って、本当にたくさんいらっしゃるんですね。

 今回の座談会のテーマの「山とジビエ」を通じて、ぜひ駒ヶ根らしさが伝わるいろんなお話を聞いてみたいなと思っています。

 と言うことで、まず最初に私たち4人の自己紹介をしてゆきたいと思います。では、片桐さんからお願いします。

 

片桐:はい、片桐泰斗と申します、よろしくお願いします。僕は、駒ヶ根生まれで駒ヶ根育ちで、今29歳です。高校卒業まで駒ヶ根にいて、大学進学で石川県にいってました。石川には6年ぐらいいて、その後、帰ってきて今駒ヶ根で働いて生活しています。ふだんはリモートワークというか、週一で会社に赴いて、そこでミーティングとか打ち合わせをして、それ以外は家とか、カフェで仕事をしながら、休日は山登りとかをしてます。

 大学時代に歩く旅に取りつかれて、アメリカとかニュージーランドとか、バックパッカーみたいに歩いていて、これからも続けてゆきたいと思っています。今日はよろしくお願いします。

 

前田:はい、お願いします。それでは続けて福田さん、お願いします。

 

福田:はい。福田渓樹と申します。小学校の三年生まで新潟県の妙高市っていう長野の隣の街に暮らしていて、それから父親の実家である長崎に帰って、高校生まで暮らして、で、大学進学の時に海で遊ぶのか山で遊ぶのか考えたときに、また山で遊びたいなと思って、長野の大学を選んでこっちに来ました。卒業してからは、駒ヶ根に住んで、すぐ隣の村の宮田村っていうところにあるお酒の会社でウイスキーとワインをつくっています。休日は狩猟をしたり、山菜狩りしたり、きのこ狩りしたり、川釣りしたり、土日の度に山に入ってものとって遊んでます。料理も好きで、自分でとってきたもので料理して、自分でつくったお酒飲んでっていう、日々の楽しみを満喫しています。

 

前田:(福田さんは)いつもこんなにニコニコして、幸せそうなんですよね(笑)。よろしくお願いします。次、室根さんお願いします。

 

室根:はい、みなさんこんにちは。室根英之と申します。僕は駒ヶ根市の隣の伊那市出身で今は駒ヶ根の市街地で「トオク」という屋号の店を構えています。革靴とか器や本、暮らしの道具を扱う店です。2018年までは東京で店をやっていて、2018年の春に駒ヶ根へ移転して、今年の夏で6年になります。移住に関して、みなさん興味を持っている方とか、検討されている方とかって、いろんな動機だったり、きっかけがあると思うんですけど、田舎で何か起業したいとか、お店を持ちたいとか、ちょっと小商いやってみたいという人がいましたら、ちょっとお力になれるかなと思うので、今日後半、個別相談の時間もあったりするので、興味あるかなって方は声を掛けていただけたらなと思います。今日はよろしくお願いします。

 

前田:よろしくお願いします。最後に前田智子と申します。私は福岡県の久留米市の出身です。大学院を卒業するまでずっと九州にいたんですけど、就職で関東、東京の方にも含めてだいたい10年くらいおりました。私は生まれたときから、ものすごいひどいアトピーだったんですよね、でもそのアトピーが長野に来るたびに良くなることに気づいて、で、いてもたってもいられず2017年に駒ヶ根市に移住しました。移住した後は、なかなか今までの仕事を活かした職種が見つからないこともあって、地域おこし協力隊として、3年間駒ヶ根市役所にお世話になりまして、その後、自分でまちづくりの会社をつくって、今はシェアハウスのオーナーをやったり、室根さんと一緒に駒ヶ根のローカルな情報を発信してゆける活動だったりとか、移住される方々のお手伝いができないかなと思ってふだん活動しています。今日はよろしくお願いいたします。

 

一同:よろしくお願いします。

次に、それぞれが今の駒ヶ根に辿り着くまでの流れを教えていただきました。

 

片桐:僕は生まれてから18歳までずっと駒ヶ根で暮らしていて、西に中央アルプス(標高約2900m)、東にも南アルプス(標高約3000m)があるんですけど、朝、学校へ出てゆくときに両方の山を眺めていると安心感っていうか、大自然に抱かれてるなっていう、その感覚が(自分の身体に)染みついてて。大学進学で一回地元を離れたんですけど、戻ってきて改めて駒ヶ根の自然の魅力は住みやすさにつながるなと思いました。

そんな片桐さんへの詳しいインタビューはこちらの記事でどうぞ。

 

前田:たぶん、もともと駒ヶ根が地元のひとはあんまり感じないかもしれないんですけど、私も駒ヶ根に来たときに、こんなに世の中カラフルなんだなって思って、ほんとに色鮮やかだし、色がクリアなんだよね。

福田:山もやっぱり朝日の色と夕焼けの色、紫だったり、オレンジだったり、ピンクだったり、緑の山のときもあれば雪で白いときもあって、そういう意味でカラフルだと思います。

片桐:冬山はより映えますよね、夕焼けが。

 

 片桐さんはUターン移住、Iターン移住の福田さんはどんなきっかけがあったのでしょう。

 

福田:僕は大学は駒ヶ根の隣の市にあるところだったんですけど、高校卒業して、山か海かと思って、まず山だなって思ってこっちに来ました。もちろん就職するときに長崎に帰るという選択肢もありましたし、他の場所を見てみたいという気持ちもあったんですけど、山でもう少し遊びたいなって(笑)

 あと僕はお酒が好きなんですけど、ワインをつくれる、ウィスキーもつくれる、日本酒もあるっていう、そういう環境で今の職場も選びました。

 

ー もともと長崎からきた福田さん、駒ヶ根の冬の寒さはどうだったのでしょう。

 

福田:寒いですよね、でも、まぁ住めば慣れるっていう。あとは北信とか長野でもすごく雪が降る地帯と比べると雪は少ないので。やっぱり雪が降るとどうしても車の運転が不安だという人はいますし、歩くだけでも不安だと思うので、そういう意味では過ごしやすいと思います。

 

 ここから実際に福田さんがやっているジビエや山菜やキノコ採りの話に入ってゆく。

福田:(上の写真を見ながら)だいたい猟期(狩猟していい期間)が冬なので春は山菜を採って、夏は川釣りに行って、秋はきのことって、冬、狩猟しているんですけど、これは(川の写真を指さして)夏ですね。

片桐:これ、車でどれくらいの場所にあるところですか?

福田:これは、どこも自宅から車で15分圏内ですね。ここなんて、次住むとこのほんとすぐそこの川ですし。

前田:こういうスポットは自分で開拓してゆくの?

福田:開拓ですね。川はアクセスよくって、だいたい入ってもいいんですよね、森と違って。なので気になったところに車止めて、こういうところ歩きながら、ときどき珈琲淹れて飲んだりしながら。土日の夏の楽しみがこんな感じです。

福田:で、次のページ(上の写真)の、この辺が冬の遊びで(狩猟している写真を指差して)ちょっと、気持ちやさしめの写真を選んだのですが、鹿をとっているところです。基本ターゲットは鹿なんですけど、ときどき猪、他の小動物もとるんですけど、こんな感じで捕まえたら捌けるところに運搬して、そこで捌いて、お肉をこの状態に、これもも肉なんですけど、この状態で家に持ち帰って、もうちょっときれいに細かく捌いてって感じですね。

 

 これからは鹿肉のもも肉で生ハムをつくる予定もあるとか。次に、そんな福田さんが狩猟をはじめようと思ったきっかけを伺いました。

 

福田:新潟に住んでいたとき、妙高…黒姫の隣なんですけど、そのときは食卓に出てたんですよ、ふつうにジビエが。猪とか鹿とか。それは親父が山仕事をしているので、友達から貰ってきたとか、そういうお肉が出てたんですけど、長崎に帰ってから、それがめっきりいなくなっちゃって、それが寂しかった。だからと言って長野にいれば勝手には食卓に鹿肉が出てくることってないので(笑)じゃあ、自分でやろうかって…

前田:その発想がすごいよね、出てこないから自分でっていう…

 

福田:狩猟に関しては、とりあえず何もわからない状態でも、免許を取れば猟友会の方々が教えてくださるので、最初は教えてもらったままやってみて、2年目くらいから1人でやるようになりました。

 

室根:実はこの間、僕と片桐さんは福田さんのご飯をご馳走になってて、すごかったよね、美味しかった。ふだんは企業にお勤めされているんですけど、ご自宅に知り合いとかを招いて料理を振る舞っているんですよね。料理はほんと本格的なので感動しますよ。

片桐:料理盛る器もおしゃれなんですよね。

福田:(上の写真を見て)あ、きのこですね。秋の楽しみで、舞茸とかも採れちゃったりするんですよね。

前田:なんかさ、雑キノコの種類すごい、めっちゃあるよね。こういうのも誰か教えてくれた?経験で?

福田:はじめたきっかけは親父がちょっときのこ採るんですけど、でも、こっちに来てまわりのおじさんたちについて行ってみたら覚えましたよね。

室根:みなさん自分だけのスポットを持ってるんですよね。ここに行けばきのこがあるってのを。で、やっぱ田舎ってコミニティが狭いので、知り合いを2、3人つながると、もうその人に行き着くみたいな。だから何かわからないことがあると、「誰か知ってる人いない?」「きのことり行きたいけど誰か教えてくれない?」っていうと、「誰々だったら知ってるかも」みたいな感じで、そこでつながれるってのも、この地域の魅力かなって思います。

福田:秋口になると(きのことりで)だんだんみなさんソワソワしてくるんだよね。秋のおじさんたち気をつけたほうがいいかもしれない(笑)

一同:(笑)

 

福田:毎週末ハンティングばっかしてても疲れてくるんで、たまにはゆっくりキャンプもしたりします。キャンプと言ってもデイキャンプ。近くの川に行ってパン焼いたり、肉焼いたりして、ぼーっとしてますね。ほんとこういうことも、朝起きて天気いいなって思って、で、思いついてすぐできる距離に自然があるのが、いい街だなって思います。」

 

 

 後編は片桐さんの山登りやロングトレイルの話へ。近日公開予定

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