【この物件のポイント】【RENT】 ※空き家バンク登録物件です。
・空き家バンクでは珍しい賃貸物件
・令和5年6月からの空き家なので手入れが行き届いています
・駐車場が軽自動車であれば3台置けます
「昔、親父がここで仲間と一緒に麻雀やっててな、練炭だったもんで一酸化炭素中毒になりかけた」
オーナーさんの笑えないエピソードを聞きながら撮影をしていました。雨の降る寒い日でした。
場所は、上穂南という市街地に近く、徒歩10分圏内に文化センター、公園、銀行、郵便局、コンビニ、スーパー、飲食店など生活に必要なものが一通り揃っている生活には便利なエリアです。
せっかく田舎に住むのだからアパートなどの集合住宅ではなくて、戸建に住みたいと希望される方は多く、根強い人気があるのが平屋物件です。（冬なんかは集合住宅の方が温かいというメリットはありますが）
昭和32年に建てられた3Kは、部屋数も多すぎず、少なすぎず、このサイズ感の戸建てを求められる方は多そうです。夫婦二人暮らしや子どもがまだ小さなご家庭、ひとり暮らしの単身者がルームシェアして住むにも手頃なサイズ感なのかもしれません。
玄関の引き戸をガラガラと開けると履物を置く土間の部分と一段上がった上がり框。ちょっと段差は高めの部類に入るでしょうか。昔はこういった玄関先で近所のおばちゃんたちがお茶や漬物を飲んだり食べたりしながら話し込んでいたものです。
玄関から左に行くとトイレ。間取り図では男子トイレ、女子トイレとわかれていますが、実際はウォシュレット付き洋式のトイレにリフォームされていてとてもきれいです。廊下突き当たりは6畳の和室。障子もきれいに張り替えられています。隣の和室6畳には大きめの押入れがついています。冒頭のオーナーさんのお父様がご友人たちと雀卓を囲んでいたのはこの部屋のようです。奥には7畳の和室。押入れがないので収納がありませんが2面が窓なので光もよく入り明るい印象です。
台形のかたちをした台所はデッドスペースがあるので効率よくスペースを使うには工夫が必要そうです。昔懐かしの給湯器の先にはレトロな昭和型板ガラス。
いわゆる脱衣所と呼ばれるような場所がないので廊下に目隠しのカーテンなどを吊るす必要があります。
浴室は淡いピンク色のタイルがレトロな雰囲気を演出しています。窓があるので明るいですが、夜は逆に外から見えやすいのか目隠しのすだれが窓の外側についていました。
築年数は経っていますが、令和5年の6月まで入居者がいたこともあり、全体的に手入れが行き届いていて、入居の際に改修などは必要ありません。引っ越してきて、そのまま住むことができる物件です。
この物件の撮影は10分、15分くらいの滞在でしたが、コンパクトな室内を行き来しながら撮影ポイントを探しているうちに、妙に落ち着く雰囲気があって懐かしさのある物件だなと思いました。
畳の部屋の壁にはお気に入りのレコードのジャケットが見えるようにして飾りたいし、本棚にも幸田文の本なんかを並べたくなりますね。カリモクのソファに円卓を合わせて、お茶のときはお盆も用意して急須と湯呑をぜひ使いたい。急須を洗うのは面倒とは思っても、そういう丁寧な暮らしをしてみたくなる。そんな気分にさせてくれる物件です。
撮影時、庭のもみじの紅葉がきれいでした。落ち葉を掃く姿にも風情がありますね。ガチガチなガーデニングはハードルが高くてもこのくらいのサイズ感だと目も行き届きやすく、丁寧に暮らしを実践してゆくにはちょうどよさそうです。
賃貸でありながら田舎暮らしを満喫できる物件、田舎暮らしの最初の一歩をこの物件で踏み出してみるのはいかがでしょう？
撮影も終わり、帰りがけに「これどうぞ」と言ってオーナーさんが缶コーヒーを手渡してくれました。キンキンに冷えた缶コーヒーでしたが、その心遣いがプライスレス。
（2023.11.23 掲載）
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